近代化産業遺産 総合リスト


 
建物紹介例
<写真がここに入ります。(下は例)> 現在の建物名称(昔の建物名称)
住所(移設の場合、旧所在地) 建築年代
構造/階層 設計者/施工者
文化財指定・顕彰(ある場合)/撮影日/所有状況/
使用状況(建造当時の用途)
建物説明をくどくどと。(文末に参考文献ナンバー)

京都市上京区(同志社大学)編

同志社大学彰栄館(同左)
京都市上京区今出川通 明治17年(1884)
煉瓦造/2階建 ダニエル・C・グリーン/尾瀧菊太郎
国指定重要文化財/04.8/同志社大学/教育施設(同左)
 とにかく古い建物、であるにもかかわらず、そう見えないのは改修されているだけでなく、私たちにとってあまりなじみのないスタイルであることもあるでしょう。
 資料によれば、北米のゴシックスタイルを踏襲している建物だとのこと。塔屋部は増築によるもの、と分かっているものの、その象徴的な意匠には、見るものを注目させる何かがあります。わざとらしいように感じるその塔屋の歴史に、頭が下がります。もっと私も見分けができるようにならなければ。(39.)

同志社大学礼拝堂(同左)
京都市上京区今出川通 明治19年(1886)
煉瓦造/
平屋建(中2階、地下有)
ダニエル・C・グリーン/不詳
国指定重要文化財/04.8/同志社大学/教育施設(同左)
 外壁+煙突で古い建物であることは判別出来ます。ただ、大学キャンパスであるという特性は、見るものを困惑、そして疑問の鬼にさせてしまいます。この建物に関してもそれは例外ではありませんでした。古くからある教育施設は景観保護の関係から、または権威を付けるため古いデザインをあえて用いることがあるからです。
 とはいえ、様式の表現やそのたたずまいは、古くからの建物と言うことをごまかすことはできません。100年の月日を経て、礼拝の拠点は文化財となることができました。(39.)

同志社大学有終館(書籍館)
京都市上京区今出川通 明治20年(1887)
煉瓦造/2階建(地下有) ダニエル・C・グリーン/不詳
国指定重要文化財/04.8/同志社大学/教育施設(同左)
 日本では当時最大の図書閲覧施設だそうです。昭和初期に火災によって内部が焼失。そのとき取り壊しという可能性もありましたが、建築家武田五一の指導によって改修、現在は重要文化財となって活用・保存されています。
 窓周りに施された色違い煉瓦、大振りな壁にアクセントを付ける石のライン。グリーン氏の以前からある同志社建築物とは違った表現におもしろみを感じさせます。(39.同志社大学サイト.)

同志社大学ハリス理化学館(同左)
京都市上京区今出川通 明治23年(1890)
煉瓦造/2階建 アレクサンダー・N・ハンセル/
不詳
国指定重要文化財/04.8/同志社大学/教育施設(同左)
 同志社大学の史料館的役割を担っている施設。もともとはハリス氏の寄進によって設立された理化学学校の建物としてたてられたものです。所属こそ異なるものの、当時同志社が目指していた私立初の総合大学をもくろんだ計画の中で作られたもののひとつです。
 同志社大学の建造物を見学する際には、まずここに立ち寄ると良いかもしれません。内装ひとつとってみてもなかなか味のある建物で、実によい印象を受けました。(39.同志社大学サイト.)

同志社大学致遠館(同左)
京都市上京区今出川通 大正7年(1918)
煉瓦造/2階建 W.M.ヴォーリズ/不詳
/04.8/同志社大学/教育施設(同左)
 同志社キャンパスを彩る煉瓦造建造物のひとつ。同キャンパス内にはご存じの通り煉瓦で作られた構造物が多く、この建物はしっかりとした造りながら、残念なことにそれほど目立ってはいません。
 話によると建物の命名者は徳冨蘇峰だとのこと。そのことだけでも話題性には事欠きません。将来この建築にも文化財としての箔がつくでしょう。ただ、その前に解体云々という問題が起こらないことを私としては祈らずにはいられません。(同志社大学サイト.) 

同志社大学啓明館(図書館)
京都市上京区今出川通 大正9年(1920)
鉄骨煉瓦造/4階建 W.M.ヴォーリズ/不詳
/04.8/同志社大学/教育施設(同左)
 同志社大学構内にある建物の中では、少しごてごてした印象がありました。それの多くは塔屋に施された意匠によるもので、全体のスタイルはそれほど悪いバランスではありません。2代目図書館として建てられた建物ですが、角地にあることから象徴的な要素を含める意味で、塔屋が設けられたのかもしれません。
 一部サイトにヴォーリズ設計とのコメントがありましたが、私自身確認がとれなかったため、今のところは設計施工者ともに不詳と言うことにさせて頂きます。裏がとれ次第、変更致したいと思います。(同志社大学サイト.)

同志社大学アーモスト館(同左)
京都市上京区今出川通 昭和7年(1932)
鉄筋コンクリート造/
3階建(地下有)
W.M.ヴォーリズ/清水組
国登録有形文化財/04.8/同志社大学/教育施設(同左)
 同志社大学の迎賓館的施設。煉瓦で表面が覆われているのは、同志社大学に遺る煉瓦造建造物に対するオマージュとも、周囲に対するヴォーリズの景観配慮ともとれます。どちらもある、というのが正解でしょうね。
 この建物だけを見ると、とても隣に寺社があるとは思えません。気分はヨーロッパ郊外の別荘。訪れる人々に懐かしい雰囲気を感じさせます。たとえ、外から眺めるだけでも(笑)。(0.40.同志社大学サイト.) 

同志社大学待辰館(同左)
京都市上京区今出川通 昭和期?
鉄筋コンクリート造?/2階建 不詳/不詳
/04.8/同志社大学/教育施設(同左)
 道路を挟んでアーモスト館に向かい建っている建物。通りの先には寺が待ちかまえているというおもしろさは、まさに京都ならではのものです。
 さてこの建物がどの年代のものか、私のもっている資料では残念ながら判別出来ませんでした。ただ、年代が分からないだけでこの建物の価値が下がるとは考えられず、見たところ登録文化財クラスのたたずまいは十分にあるもの思われます。やはりここまでの姿があれば、詳しい履歴は知りたいというもの。情報を求めずにはいられません。(同志社大学サイト.)

同志社大学新島襄遺品庫(同左)
京都市上京区今出川通 昭和15年(1940)
鉄筋コンクリート造?/平屋建 W.M.ヴォーリズ/不詳
/04.8/同志社大学/倉庫(同左)
 年代から考えると、いわゆる復古調の建物でしょう。大小2部屋で構成されているそうです。創立者の遺品を所蔵する施設ということで、神殿風の意匠が採用されていますが、周囲に圧迫感を与えるほどの強調はされていません。
 煉瓦の外壁で飾られているのは、ひとえに同志社キャンパスの統一感によるものと思われます。それでも、時代性に流されない強さは、設計者のみならず大学の精神面の強さにあるのではないでしょうか。(同志社大学サイト.現地案内板.) 


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