近代化産業遺産 総合リスト


 
建物紹介例
<写真がここに入ります。(下は例)>JR多度津駅前蒸気機関車動輪 現在の建物名称(昔の建物名称)
住所(移設の場合、旧所在地) 建築年代
構造/階層 設計者/施工者
文化財指定・顕彰(ある場合)/撮影日/所有状況/
使用状況(建造当時の用途)
建物説明。(文末に参考文献ナンバー)

香川県仲多度郡多度津町編

旧楽天堂医院(同左)
多度津町大通り 大正元年(1912)
木造/2階建 不詳/不詳
/05.10/民間/不明(医療施設)
 四国有数の綺麗な洋館。テラコッタの仕上げ方がやたら丁寧で、時代を超えた今でも尊敬に値する造りです。所々おかしい造りがある、といわれれば確かにそうですが、それは全体の雰囲気を破壊するものではなく、むしろ建物の洋風たる「味のある」部分ではないかと思います。
 歯科医院として多くの本に紹介されていますが、現在では商業施設として使用されていないようです。個人宅のままではもったいない、と考えるのは所有者に対して不遜でしょうが、やはりそれだけの美しさが建物に備わっている、名品です。(a.51.)

JR多度津駅給水塔(同左)
多度津町栄町三丁目 大正2年(1913)?
煉瓦造給水塔 不詳/不詳
/05.10/JR四国/鉄道設備(同左)
 四国にはこのような煉瓦造の貯水塔がいくつか現存していますが、個人的にはもっとも気合いの入った作品ではないかと思います。内部への扉を飾る部分や給水塔と接する軒に当たるあたりの布積など、煉瓦にアクセントを付けるが如く石材をふんだんに用いています。大正期の土木デザインは建築と同様に、デザインを意識したものが多く造られてきましたが、これも現在に繋がる品質重視の一顕現ではないかと思います。
 所々に遺る煤の跡は、蒸気機関車によるものです。この給水塔の「高さ」が、水圧を持たせるためのものとして以外に、蒸気機関車への水供給のために使用されていたことを今に示す、動かぬ証拠です。こういったところにも歴史の奥深さを感じることが出来ます。(b.51.)

JR多度津駅倉庫(同左)
多度津町栄町三丁目 大正2年(1913)?
木造/平屋建 不詳/不詳
/05.10/JR四国/鉄道施設(同左)
 四国鉄道発祥の地に遺る施設群のひとつ。小品であるが故の宿命か、あるいはそれ程の価値無しと判断されたか。詳しい情報を得られていません。六角形の通気口が非常にオシャレで、しかしそれ以外の部分と比較してしまうと何か不可解なものを感じます。
 多度津駅がほぼ改築されている現状から考えると、四国鉄道の結節点を象徴する記念施設として、隣接する給水塔とともにもう少し大切にしても良いのでは、、、と個人的には思います。改装次第では、かなりの美しさを取り戻すことが出来そうです。

山本医院(同左)
多度津町大通り 昭和15年(1940)
木造/2階建 高島司郎/枝園政一
国登録有形文化財/05.10/民間/医療施設(同左)
 昭和戦前期の洋館ということですが、どちらかというと大正の薫りを感じさせる意匠です。建物構成から考えれば単調になっても仕方ない外観を、軒を出してみたりテラコッタを付けてみたりと試行錯誤した結果、年代に似合わず古めかしい建物になった、というところでしょうか。向かい側の旧楽天堂病院のインパクトが強すぎて、単体では影が薄くなってしまいます。
 その建物よりも気になってしまうのが、玄関側の銅像。なぜにトナカイ? そしてなぜにこの位置? どうしても頭から離れません。こちらも詳細な情報を募集しています(笑)。(a.51.)

JR四国多度津工場事務所(同左)
多度津町大通り 昭和戦後期
木造?/2階建 不詳/不詳
/05.10/JR四国/鉄道施設(同左)
 少し年季の入った工場建築の事務所。官庁造りの建物というには、少々こざっぱりに過ぎる建物。工場の構内には、なぜか新幹線も安置してあるなど、鉄道工場ならではの何か楽しげな雰囲気を感じさせます。工場見学の日にはいつか行きたいと思います。
 外壁の改修も行われているため、年代特定が難しい建物です。もしかしたら戦後中期のつくりなのかもしれません。が、四国鉄道の発展と変遷を一身に担った工場建築ですから、何はともあれ載せてみることにしました。


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